とあるさんぽ

としょかんかんけいとかだいがくかんけいとかそういうことをかいてみます

無料公開セミナー「学術情報流通の最新動向」備忘録-③(予定地)

時間のあるときに各社講演を編集して形にしたいと思っているのですが…

 

  内容 「エルゼビアのユニバーサルアクセスへの取り組み」

  講師 エルゼビア・ジャパン株式会社 高橋 昭治

   ・SDは8月下旬にちょっとリニューアルしてもっと使いやすくなる

   ・アプリケーションの紹介

 

  内容 「学会誌出版」

  講師 ワイリー・ジャパン 荒生 由香里

 

  内容 「STM Publishing for Scientists」

  講師 シュプリンガー・ジャパン株式会社 田辺 祐子

   ・印象に残っているのはこれ→ http://realtime.springer.com/icons

   ・ソーシャルメディアの活発化→利用しないわけにはいかない

    ・研究者の研究のサイクル:作り手としての側面と利用者としての側面

     利用者(読者)としての側面は活発になっている

  内容 「医学情報環境の最新動向」

  講師  株式会社ウォルターズ・クルワー・ヘルス・ジャパン 三木 律子 

   ・Ovid SP が有名だけど Ovid MDの紹介

 

 

ソーシャルメディアといやTwitterとかFacebookとかあるけど

文献管理ツールであって研究者同士でつながりやすいMendeleyっすかね

うちはSNSの情報発信を抑える方向で動いてますが。。。さてさて

 

 

無料公開セミナー「学術情報流通の最新動向」備忘録-②

8月3日(金)に秋葉原UDXギャラリーで開催された、丸善株式会社 無料公開セミナー「学術情報流通の最新動向」に行ってきました。備忘のために配布資料を元に内容を記載しておきたいと思います。
 
基調講演「学術情報流通の機能改善と図書館、研究者、出版社の役割」
講師 JUSTICE 事務局 事務局長 熊渕 智行
 
 ※講演で使用した資料はJUSTICEのサイトで公開されています。
  http://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2012/0806131057.php
 

熊渕氏の講演では、1980年代からの学術情報流通についての概略とJUSTICEの説明と今後の展開について講じられました。資料に沿って、以下の内容について講話がありました。ちなみに質疑応答ではフロアからの質問はありませんでした。

 
 ○学術情報基盤としての電子ジャーナル
  ・学術図書館研究委員会(SCREAL)による
   電子ジャーナル等の利用状況:2011年調査結果速報
    http://www.screal.jp/03192012SCREAL_first_release_3.pdf
   → 電子ジャーナルは研究の日用品となり,電子書籍も使われ始める
     研究の「必需品」から「日用品」への変化

 
  ・平成23年度「学術情報基盤実態調査」の結果報告(概要)     
   → 図書館の運営経費:緩やかな減少傾向
     学術誌の電子ジャーナル化:総利用可能種類数と経費の増加傾向は継続
     洋雑誌(冊子体)の購入:総購入種類数と経費は減少傾向が継続
 

 ○学術情報流通と大学図書館
  ・購読料モデルにおける大学図書館の役割(資料3p参照)
  ・学術情報流通をめぐる変化
    ・Big Scienceの影響:大規模研究プロジェクト化による研究費の増加
               研究者数の増加、論文数の増加、新規タイトルの増加
    ・商業出版者の進出:買収による寡占→価格高騰→Serials Crisis
  ・大学図書館のおかれた環境の変化
    ・学術雑誌の購読候補タイトル ↑、購読料 ↑、資料購入費 ↓
   →1980-90年代 学術情報流通の変化に伴う大学図書館の苦境
           =学術情報流通コストに対する限度以上の負担
 
  ・学術情報流通媒体の変化
    ・電子ジャーナル化 ←IT技術の飛躍的発展
    ・大学図書館の変化:購読契約 → ライセンス契約、所蔵 → アクセス
    ・購読モデルの変化:BigDealの出現(個別タイトル購読→パッケージ購読)
      →従来と同程度の購読料で飛躍的なアクセス増の実現が可能
        →Serials Crisisに対する救世主?
       ▲価格は契約開始時の購読額に左右され、大学により大きく異なる
 

 ○大学図書館コンソーシアムの形成
  ・購買力と交渉力の強化 →国立大(JANUL)、公私大(PULC)
    複数の大学図書館が、より良い条件で電子ジャーナル等を導入できるように
    連合体を組織し、一体となって出版社等と導入条件などを直接交渉

 

 ○コンソーシアム活動の成果と課題
  ・活動の成果:利用可能な電子ジャーナル数の飛躍的な増加
         大学間の情報格差の是正
         電子ジャーナルの学術情報基盤としての定着
  ・活動の課題・問題点:組織基盤の脆弱さ、契約モデルの問題(BigDealの「罪」)
 

 ○JUSTICEについて(資料10p-18p)
  ・2011年4月 2つの大学図書館コンソーシアムJANULとPULCを統合して発足
  ・オプト・イン型のオープンコンソーシアム:交渉のみを一元化
  ・新たな契約モデル実現への対応と課題
 

 ○購読料モデル対応の限界
  ・価格交渉の限界
    ・オープンコンソーシアムの限界←最終的な契約保証のない交渉
  ・タイトル数 ↑、価格 ↑、研究者(読者)の要求 ↑、予算 ↓
    →学術情報流通の機能不全(Serials Crisisの再来?)
      →学術情報流通システムの改革
        ・商業出版社に過度に依存した学術情報流通システムからの脱却
        ・読者と著者による適正なコスト負担モデルへの移行
        ☆著者&読者である研究者の意識の変革
 

 ○学術情報流通の改革に向けて
  ・大学図書館→研究者(著者=読者)へのアクション
    ・学術情報流通の機能不全(購読料モデルの限界)に対する正しい理解の獲得
    ・購読料によるコスト負担の削減 → オープンアクセス化の推進
      ・機関リポジトリの推進:セルフアーカイビングによるオープンアクセス 
      ・オープンアクセス・ジャーナル化の推進:購読料以外のコスト負担
  ・大学図書館と研究者(学協会)
    ・購読料モデル下での価格の最適化活動 = JUSTICE
    ・オープンアクセス・ジャーナルの推進 = SPARC Japan
    ・セルフアーカイビング(機関リポジトリ)の推進 = CSI-IRP
      ☆すべての活動を連携させつつ同時進行させていくことが重要
 
  ☆参考☆
   平成24年7月 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 
          学術情報基盤作業部会 報告
        「学術情報の国際発信・流通力強化に向けた基盤整備の充実について」
 

 ○JUSTICEの活動展開
  ・電子ジャーナルバックファイル・電子コレクションの拡充
    ・電子ジャーナルバックファイル整備
    ・人文社会科学系電子資料コレクション整備
    ・NIIとの連携・協力による電子コレクションの共同整備:18c-20c HCPPなど
  ・電子リソースの効率的な管理と提供の実現
    ・電子リソース管理データベース(ERDB)共同構築プロジェクトへの協力
  ・電子リソースの長期保存とアクセス保証 → CLOCKSSとの連携強化
    ・「所蔵」→「アクセス」(図書館には「もの」が残らない)
    ・電子リソースの長期的な保存とアクセス保証の実現が新たな課題
  ・電子リソースに関わる図書館職員の資質向上
    ・実務研修生の受入
    ・『電子資料契約実務必携』の刊行
    ・実務担当者向けの研修会等の企画・実施
 

 ○まとめ
  ・JUSTICEは、NIIの支援を受けつつも、各大学図書館が主体的に活動し、
   全体で支えていく組織
  ・JUSTICEは、「出版社交渉代行サービスを行う第三者機関」ではない

無料公開セミナー「学術情報流通の最新動向」備忘録-①

8月3日(金)に秋葉原UDXギャラリーで開催された、丸善株式会社 無料公開セミナー「学術情報流通の最新動向」に行ってきました。主催者の丸善のウェブサイトでプログラムを見られなくなっていたので、備忘のために申し込み時の資料から記載しておきたいと思います。

 概要

1990年代後半に学術的な電子ジャーナルの流通が開始されて以来、急速にその導入と利用が進んできています。その普及の過程においては、インフラや要素技術の革新が次々と実現される一方で、コンソーシアム契約に代表されるような新たな契約方式も生み出されてきました。しかし、普及開始から10年以上を経てその流通プロセスがかなり確立されてきた一方で、「制度疲労」と言って良い諸問題も逼迫の度合いを深め、購読機関、コンテンツ提供元などのステークホルダーが新たな情報流通のあり方を模索している状況となっております。こうした状況認識のもと、本セミナーは、電子ジャーナルの流通において中核的な役割を担ってきた購読機関のコンソーシアム、並びに大手出版社が、現在の環境をどのように認識し、新たなステップを踏もうとしているのかについての理解を深めることを目指すものです。

 

 プログラム

 時間      内容

12:30-13:00  会場・受付

13:00-13:10  開会の挨拶

13:10-14:00  基調講演「学術情報流通の機能改善と図書館、研究者、出版社の役割」
        講師 JUSTICE 事務局 事務局長 熊渕 智行

       ※講演で使用した資料はJUSTICEのサイトで公開されています。
        http://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2012/0806131057.php

 14:00-17:30 【出版社講演】

  内容 「エルゼビアのユニバーサルアクセスへの取り組み」
  講師 エルゼビア・ジャパン株式会社 高橋 昭治

  内容 「学会誌出版」
  講師 ワイリー・ジャパン 荒生 由香里

  内容 「STM Publishing for Scientists」
  講師 シュプリンガー・ジャパン株式会社 田辺 祐子

  内容 「医学情報環境の最新動向」
  講師  株式会社ウォルターズ・クルワー・ヘルス・ジャパン 三木 律子